広告代理店の価値とは?コンサルティングフィーの対価を考える。

広告代理店やWebマーケティング会社に支払うコンサルティングフィーは、毎月数十万円から数百万円。事業主にとって決して安い金額ではない。では、なぜ事業主は広告代理店に広告運用やマーケティング実務を依頼するのか?答えはもちろん、その事業主にとって広告代理店に依頼する価値があるからである。

それでは、その広告代理店に依頼する価値とは何なのか。そして、フィーの対価は何なのか。考えをまとめてみる。

フロー・ストックの両面でフィーの価値を考える

「広告運用を任せたい」

「マーケティングの投資対効果を改善したい」

事業主が外部に依頼する際の入り口に立つニーズは、多くの場合この二つに集約される。そしてその期待に応えること自体は、広告代理店として当然の仕事だ。ソイルも例外ではない。

ただ、フィーの対価をその二つだけで説明するのは適切ではないと感じる。もしフィーの対価が「月々の運用作業」や「短期の数値改善」だけであれば、お取り組みが終わった瞬間に、広告代理店が事業主に提供した価値はほぼ消えると言える。もしまた広告代理店に依頼するのであれば、新しい広告代理店に同じことを一から説明し、同じような検証をもう一度走らせる。そのような「振り出しに戻る」状態になってしまう。

数年前であれば、それでも構わなかったかもしれない。Webマーケティングに本気で取り組む企業がまだ少なく、正しく取り組めばROIの合う時代だった。

しかし今は違う。プレイヤーが増え、クリック単価は構造的に上がり続け「月々の運用作業」や「短期の数値改善」のようなフローの視点だけでは投資対効果を維持しにくい時代になった。

だからこそソイルは、フィーの対価を「フロー」と「ストック」の二つに分けて考えている。短期的に流れていく成果を挙げるのはもちろん、中長期にわたって事業主側に残る資産も築く。

ストックの視点を持てるかでマーケティング投資が変わる

マーケティング投資をフローとストックで考える。

フローとは、流れていく投資だ。今月の広告費。今月の運用作業。今月のCPA。お金を投じれば成果が出るが、止めれば成果も止まる。

ストックとは、蓄積していく投資だ。仕組み。ブランド。顧客データ。社内のノウハウ。検証から得られた再現性のある勝ち筋。一度築けば、その後も成果に貢献し続ける。財務諸表で言えば、フローはP/Lに直接効く支出、ストックはB/Sに積み上がっていく無形資産に近い。両者は対立しているわけではなく、どちらの視点で投資を捉えるかで、同じマーケティング費用でも意味が異なってくる。

クリック単価の高騰は止まらない。CPAだけを追いかけていれば、ROIを高めるのが年々苦しくなる事業主が多いはずだ。しかし、マーケティング投資をストックの視点で捉え直せれば、まだ投資を踏める余地は残っている。

LTVを伸ばす導線を作る。指名検索を伸ばしブランド資産を築く。一度の検証から、再現性のある勝ち筋を抽出する。これらは、その月の数字には直接表れないかもしれない。しかし、半年後・一年後の事業の地力を決める。

ストックの価値を出せない広告代理店は厳しい

広告費のようなマーケティング費用への投資にフローとストックの両面があるように、広告代理店に支払うフィーにも両面がある。

月のCPAを下げるための作業対価としてフィーを払う。これはフロー型の捉え方だ。作業が止まれば成果も止まり、取り組みが終われば基本的に成果も止まることが多い。

一方で、取り組み期間を通じて、自社のマーケティングが構造的に強くなっていく。仕組み・知見・考え方がチームに残る。これはストック型の捉え方だ。

広告代理店に支払うフィーが、月の作業の対価だけで終わるなら、投資対効果には構造的な上限がある。作業が止まれば、成果も止まるからだ。

しかしフィーの対価として、今月の成果だけでなく、今後もマーケティングの投資対効果を最大化し続けるための仕組み・知見・考え方が、事業主側に蓄積されていくのであれば、投資対効果を上げる余地が産まれる。このストックの効果も挙げられるかがこれからの広告代理店のフィーの本当の対価だと、ソイルは考えている。

ストックの価値を出すためのソイルの仕組み

それでは、ソイルが頂くフィーの対価としてストック的な価値を出すために、ソイルは具体的に何をしているのか。基本的な3点を紹介する。

1.ノウハウは全公開。広告アカウントから考え方まで全て共有する。

広告運用のノウハウや改善の判断基準を、広告代理店側のブラックボックスにせず、全て報告・レポートとしてお伝えする。広告アカウントの所在も、広告代理店側にせず、事業主側に原則している。

ノウハウを隠したり、広告アカウントの所在を広告代理店側にしたりした方が、広告代理店への「依存」は高まり解約されにくくなるかもしれない。情報の非対称性は取り組み継続の交渉力に関わる。しかし、それは広告代理店の都合であって、事業主の利益とは言えない。

逆に、考え方ごと共有すれば、事業主の担当者のマーケティング経験が増える。事業主内での意思決定の速度・精度も上がる。それが結果として「インハウス化≒解約」のリスクを高めるかもしれないが、ソイルとしてはそれで構わない。

むしろ、ソイルとの取り組みを経て、自社でマーケティングを回せる体制・ノウハウが整ったのであれば、それはそれで価値を出せたと言えるのではないか。

2.クリエイティブを原則無償で制作する

ユーザーの心を動かすクリエイティブは、取り組みが終わっても価値を発揮するアセットである。ソイルではクリエイティブ制作体制を完全内製にすることで、クリエイティブを原則無償で制作している。理由は2点。

1つ目は、シンプルに事業主のアセットを築くためである。広告クリエイティブのような一定フロー的に入れ替わりが激しいクリエイティブ以外に、サービスサイトのコンテンツやCTAボタンなど、ストックとして中長期で価値を発揮し続けるクリエイティブも無償制作することで、フィーの投資対効果を中長期に渡り高め続ける。

2つ目は、追加費用による予算オーバーを理由にクリエイティブの供給量・検証量が減ってしまっては、出せる成果も出なくなる恐れがあるからである。結果を出すために一定量のクリエイティブ制作が必要なのは多くの事業主が理解していると思うが、それでもクリエイティブ制作費の予算を追加で確保するのは簡単ではない。ソイルとしては、無償でクリエイティブを制作してでも、結果を出し続け、プロジェクトが長く継続となれば利益の出る構造を作っている。

3.販促費をダンピングするアイデアまで提案する

広告クリエイティブに限らず、販促費を大幅に減らしつつ効果を維持・向上させるような集客アイデアまで提案するようにしている。オファーを工夫する、コミュニケーションチャネルを工夫する。お客様のリソース・役割・体制を加味して、最もマーケティングの投資対効果が最大化する集客導線を作る努力を怠らない。

クリエイティブは簡単に真似されることもあるが、集客導線の一貫性は企業・組織体制・ブランドごとに独自の形があるものだ。この独自の集客導線は、中長期で売上利益を生み出す中長期のアセットとなる。

事業主にどのような資産を築いたかを問い続ける

ソイルが今このプロジェクトから離れたら事業主に何が残るか。ソイルのコンサルタントはこれを自身に問い続ける。

ソイルが離れた瞬間に全ての成果が止まるのであれば、ソイルが提供している価値がフローでしかなかったということだ。

逆に、ソイルが離れた後も、事業主が自力でマーケティングの投資対効果を高め続けられる・売上利益が生まれるアセットを残せているのであれば、ソイルはストック価値も提供したということだ。

自分たちがどちらの仕事をしているのか、プロジェクトごとに定期的に自問する。

正直、ストックを残す仕事は、フローの仕事より時間もかかるし難易度も高い。ノウハウを共有するよりブラックボックスにした方が短期的には広告代理店の効率は上がる。

しかし、ストックを残しているという自負がなければ、月額数十万から数百万のフィーをいただく根拠がない。その心構えでお客様にコミットする。