ユーザーが見ているのは、クリエイティブだけ。

広告運用というと、多くの人が「管理画面の中の仕事」を思い浮かべる。

入札単価の調整、ターゲティングの設定、アカウント構造の最適化、タグの管理。たしかに、これらは広告運用の重要な仕事だ。

しかし、忘れてはいけないのは、これらの裏側の仕事はユーザーには一切見えていないということである。

広告に接するユーザーが目にしているのは、入札やターゲティングの設定でもアカウント構造でもない。表示された広告のクリエイティブと、クリックした先のランディングページ(LP)この2つだけだ。

ユーザーの目に留まり、心を動かすのは、この目に見える部分でしかない。どれだけ細かく裏側の設定に力を入れても、ユーザーはそれを知らないし、知る由もない。ユーザーにとっての広告体験は、目にしたクリエイティブと、辿り着いたLPがすべてだ。

だからソイルは、ここに最も力を注ぐ。クリエイターを正社員で抱えるのも、クリエイティブを原則無償で作るのも、すべてはこの一点が理由である。今回は、ソイルがクリエイティブに力を入れる理由とその体制について解説する。

成果が数倍に跳ねるのは、クリエイティブを改善した時だけ

広告運用において、入札戦略やターゲティング、アカウント構成やタグ・最適化のPDCAを回しても、成果は数パーセントから良くて数十パーセントの改善に留まることがほとんどである。

アカウント構成を刷新する。入札を調整する。ターゲット設定を変える。除外設定を見直す。これらはどれも大切な仕事で、確かに成果は改善する。けれど、改善の幅には限界がある。

成果が数倍、場合によっては数十倍に跳ねるのは、ほとんどのケースでクリエイティブを改善した時である。

※正確には、クリエイティブや、商品・オファーを変えた時である。

これは考えてみれば当然のことだ。ユーザーが見ているのはクリエイティブとLPだけなのだから、ユーザーの反応を大きく変えられるのも、クリエイティブとLPだけなのだ。

どれだけ裏側を最適化しても、ユーザーの目に触れるメッセージが心を動かさなければ、反応は変わらない。逆に、ユーザーの心を動かす素晴らしいクリエイティブを見つけられれば、同じ広告費でも集客できる顧客の数が何倍にもなる。

実際、広告運用で大きく成果が変わる局面を振り返ると、その多くはクリエイティブの転換点だ。それまで反応の薄かった訴求を、ユーザーのインサイトを捉えた切り口に変えた瞬間。商品の見せ方を変えた瞬間。魅力的なオファーを作った瞬間。こうした伝え方の発見が、成果を一段も二段も改善する。裏側の調整を続けて得られる改善幅とはインパクトの桁が違う。

裏側の最適化は当たり前。差がつくのはその先

誤解のないように書いておくと、広告運用の裏側を最適化するのは、当たり前のことだ。

アカウント構成を刷新する。入札を調整する。ターゲット設定を変える。除外設定を見直す。これらをやらないのは論外で、ソイルも当然、徹底してやる。

しかし、裏側の最適化は「やって当たり前」の領域であり、これをやっているだけで他の事業主より成果を伸ばすのは難しい。

本当に差がつくのはその先だ。ユーザーの心を動かすクリエイティブを、どれだけ生み出せるか。ここにこそ、成果を大きく左右するレバレッジがある。

つまりクリエイティブは「1円でも安く顧客を獲得する」ための、最大のレバレッジポイントなのだ。

最大のレバレッジがそこにあるなら、そこに最も力を注ぐ。これは、当然の判断だと考えている。

だからソイルは、クリエイターを正社員で抱える

クリエイティブに全力を注ぐために、ソイルでは創業1年目からクリエイターを正社員でのみ採用・育成している。

メンバーが10人にも満たない規模の広告代理店で、クリエイターを正社員で抱えるのは決して一般的ではないと思う。多くの場合、クリエイティブ制作は外部のフリーランスや制作会社に委託するのではないだろうか。その方が固定費を抑えられるし、案件の波にも柔軟に対応できるからだ。

それでもソイルが、あえてクリエイターを正社員で抱えるのには理由がある。

「早く」「多く」「高品質で」制作する体制を提供するため

クリエイティブの成果は、試行回数に大きく左右される。

最初から当たりのクリエイティブを見つけられることは、そこまで多くない。何パターンもの訴求軸・表現(How)を試し、ユーザーの反応を振り返り、勝ち筋を確認し、それを磨いていく。この検証の量が成果を決める。

クリエイティブ制作が外部頼みではこの検証のスピードに課題が生まれる。バナー画像1本作るのに見積りを取り、発注し、納品を待つ。このサイクルでは検証の回転が遅くなる。試したい仮説があっても、すぐに形にできない。

対してクリエイターが正社員として社内にいれば、このサイクルが一気に速くなる。試したい仮説を今日明日に試せることもある。また、正社員であれば同じブランドのクリエイティブを複数回に渡り制作するため、ゼロから案件概要のインプットをする必要がなく、次回のクリエイティブ制作のスピードはグッと上がる。

社内に制作機能があることは、単なるコスト構造の違いではなく、検証の回転数とそこから得られる結果そのものを変える、本質的な差なのだ。

事業理解をクリエイティブに込めるため

もうひとつ、社内にクリエイターがいることには、大きな意味がある。

クリエイティブの良し悪しは、デザインの美しさで決まるのではない。そのクリエイティブが、ユーザーの心に響くかどうかで決まる。そして、ユーザーの心に響くクリエイティブを作るためには、その事業や商品への深い理解が欠かせない。

誰に、どんな価値を届けているのか。他社と比べて何が優位なのか。ユーザーは何に困っていて、何を求めているのか。これを理解していないクリエイティブは、どれだけ見た目が綺麗でも、ユーザーの心を動かせない。

社内のクリエイターは、コンサルタントと日々コミュニケーションを取りながら、その事業への理解を深められる。外部のクリエイターに仕様書を渡して発注するやり方では、この深い事業理解は共有し切れない。事業を理解したクリエイターが作るからこそ、ユーザーの心を動かすクリエイティブが生まれるわけだ。

「なぜこの訴求なのか」「このユーザーは何に反応するのか」こうした問いを、コンサルタントとクリエイターが同じ目線で議論できる。検証の結果を見て「この切り口が当たったのは、ユーザーのこういう心理があるからではないか」と一緒に考え、次の仮説に繋げられる。クリエイティブ制作が広告運用と連動する。これは、制作を切り離して外注していては決して生まれない連携だ。

内製で補えない領域のみ信頼の置ける外部パートナーを抱える

全てのクリエイターを正社員で抱えるのが正解ではない。

ソイルでは、SNS広告での効果を最大化するため、SNSでユーザーから高い反応を得ているインフルエンサーの外部パートナーがいる。

SNS広告で効果が出やすい、UGCテイストのクリエイティブは、ジャンルによって効果の出やすいフォーマットの幅が広く、正社員クリエイターではカバ―し切れない。そのため、社内で制作するのではなく、ジャンルごとに結果を出しているSNSクリエイターに依頼するわけだ。

クリエイティブを原則無償で作る

また、お客様側もクリエイティブに全力を注げるように、ソイルでは多くのクリエイティブを原則無償で制作している。正社員でクリエイターを抱え制作体制を完全に内製化しているからこそ可能なことだ。

「制作費」が検証量のボトルネックにならないように

クリエイティブ制作を別料金にすると、何が起こるか。

当たり前だが、クリエイティブ制作費がコンサルティングフィーと別で発生するなら、お客様は当然、本数を絞る方にインセンティブが働く。「今月は予算が厳しいので、クリエイティブは2本だけで」といった判断が起こり得る。

しかし、これでは成果を出す上で必要な検証量を確保できない。成果を出すには一定量のクリエイティブを試す必要があるのに、制作費がそれを妨げてしまう。

結果を出すために検証量が必要なことは、多くの事業主が理解している。それでも、クリエイティブ制作費の追加予算を社内で確保するのは、意外と難しく、そして面倒である。稟議が必要だったり、予算の枠が決まっていたり、ハードルが存在する。

制作の本数を絞ってしまえば、出せるはずの成果も出なくなるリスクがある。これはお客様にとっても、ソイルにとっても、不幸なことだ。

無償で作り、成果と継続で報われる構造

だからソイルは、クリエイティブを原則無償で作る。

制作費を気にせず、必要な量のクリエイティブを、必要なだけ試せるようにする。検証の量を、コストの都合で削減しないようにするためだ。

これは一見、ソイルにとって損な仕組みに思えるかもしれない。制作にはコストがかかるのに、それを別料金として請求しないのだから。

しかし、ソイルは決して無理をしたり安売りしたりしているわけではない。無償でクリエイティブを作り、PDCAを最大化し、成果を出し続ける。成果が出れば、お客様とのお取り組みは長く続く。長く続けば、ソイルにも利益が出る。

目先の制作費で稼ぐのではなく、成果を出して長くご一緒することで報われる。

また、制作費でも稼ぐ構造だと、制作自体が目的になりかねない。無償で作る構造なら、ソイルのインセンティブは「如何に成果の出るクリエイティブを生み出すか」だけに向く。ソイルが報われるのは、成果が出てお取り組みが続く場合のみだ。

クリエイティブの先にある、集客アイデアまで

ソイルが力になるのはクリエイティブだけではない。可能な限り、その先の集客アイデアまで提案する。

広告の入口をどう設計するか。どんなオファーを用意するか。どのチャネルで、どんなコミュニケーションをとるか。お客様のリソースや体制を踏まえて、最も投資対効果が高くなる集客の導線そのものを、一緒に考える。

クリエイティブ単体は、競合に真似されることもある。良い広告文を見つけても、すぐに真似されるかもしれない。しかし、お客様の事業や組織の特徴を活かした集客導線は、企業やブランドごとに固有の形を持つ。この形を作れれば、簡単には真似されない競争優位性が生まれる。

クリエイティブは最大のレバレッジだが、それを事業全体の集客設計の中に正しく位置づけて初めて、本当の力を発揮する。ソイルが見ているのは、その全体像だ。

人の心を動かすことに魂を込める

広告運用の仕事は幅広い。裏側の最適化も、計測の整備も、どれも欠かせない。

しかし、広告に触れたユーザーが見ているのは、結局、広告クリエイティブとLPだけだ。

ユーザーの心を動かすのは、この目に見える部分でしかない。そして、成果を大きく変えられるのも、ここだけだ。

だからソイルは、ここに最も魂を込める。クリエイターを正社員で抱え、早く・大量に・高品質に作れる体制をつくり、制作費を気にせず検証可能なように無償で提供する。すべては、最大のレバレッジであるクリエイティブに、本気で賭けるためだ。

見えている部分に、最も魂を込める。それが、1円でも安く顧客を獲得するための、ソイルのいちばんの強みである。