広告運用は、誰かの事業に本気で関わる仕事である。

 広告運用という仕事は、しばしば作業のように扱われることがある。

「管理画面を触る仕事」

「誰がやっても成果に大差がない仕事」

「ルーティン業務」

業界の内側にいる人間でさえ、自分の仕事をそのように語ることがある。発注する側からも「とりあえず広告を回しておいてくれれば良い」と、作業の丸投げのように扱われることがある。しかし、もちろんソイルはそのように考えていない。

広告運用は、誰かの事業に、本気で関わる仕事だ。

管理画面の数字の向こうには、お客様の事業があり、そこで働く人達の努力があり、その事業の商品やサービスを必要としている生活者がいる。広告運用はその全てに関わる。

数字の向こうには「人」がいる

広告管理画面を開くと、そこには数字が並んでいる。表示回数、クリック数、コンバージョン数、獲得単価。

この数字だけを見ていると、広告運用は無機質な作業に見える。入札を上げ下げし、設定を変えて、獲得単価を下げる。そのようなゲームのように思えてくる。

しかし、その数字のひとつひとつは、全て「人」の行動の結果が反映されたものだ。

コンバージョン1件は、事業主にとって大事なお客様の一人だ。そのお客様は、何かに困っていて、解決策を求めていて、事業主の商品にたどり着いた人だ。広告管理画面上では「1」と表示されるだけのその数字の裏側に、一人の人間の意思決定がある。

獲得単価が下がるということは、事業主が同じ予算で、より多くの人に価値を届けられるようになるということだ。獲得単価が10%改善すれば、同じ広告費でも価値を届けられるお客様の数が変わる。

獲得単価が上がる・広告費の投資効率が下がるということは、事業主が価値を届けられる人が減ってしまうということだ。事業主にとってのお客様が減るだけではなく、本来であれば生み出せた雇用であったり、商品の改善であったり、事業を前に進めるために使えたはずの原資が減ってしまうということである。

広告運用の数字は、ただの数字ではない。事業主のビジネスに関わる全ての人達の生活そのものなのだ。

大げさに聞こえるかもしれない。しかし、ソイルが預かっている広告費の重要性を正しく理解すれば、決して大げさな話ではない。

この感覚を持てるかどうかで、広告運用という仕事の意味は全く変わってくる。数字を触る作業だと思えば、それは作業になる。事業に関わる仕事だと思えば、それは事業に関わる仕事になる。同じ管理画面を見ていても、見えるものが全く変わってくる。

事業を伸ばせる人になりたいなら、広告以外を経験せよ

ソイルのメインコンサルタントは、全員が事業主でのマーケティング・事業開発の経験がある。理由は、広告運用を「広告の中」だけで考えてほしくないからである。

広告運用経験が長い人材は、広告の知識や最適化には強い。しかし、どうしても視野や知見が広告の中に閉じやすい。獲得単価を下げることが目的化し、その数字が事業のどこに繋がっているかが見えなくなる。

広告運用の経験しかない人でも、事業全体の視野を持てる人はいるが、数パーセントの世界である。

事業会社でマーケティングの経験をすると景色が変わる。事業会社であれば、どれだけ専門的に正しいと考えられる施策を展開しても、経営層から「それで、結局いくら売上利益が伸びたの?」と問われる。社内でマーケティング予算を確保するのが如何に難しいか。広告の数字が良くても、事業が苦しいことがある現実を知っている。

この「発注する側の景色」を知っているかどうかが、提案のクオリティや成果が変わってくる。

だからソイルは、広告運用の経験に加えて、事業会社側の経験を持つ人材にこだわる。

ソイルのメインコンサルタントは全員が事業主側での経験がある

広告だけでは、伸ばし切れないことがある

広告運用に本気で取り組めば、必ずある壁にぶつかる。広告の改善だけでは、事業の成果が頭打ちになる壁だ。

広告の獲得単価は十分に下がった。最適化はバッチリ。クリエイティブのPDCAは回っている。それでも事業の数字が伸びない。

こういうとき、問題は広告の外にあることがほとんどだ。

事業が伸びないのは、集客チャネルのポートフォリオが原因かもしれない。商品の見せ方やポジショニングかもしれない。価格設定かもしれない。

ここで「それは我々の担当範囲ではありません」と言うのは簡単だ。広告のことだけやって、数字を報告して、契約を続ける。それでも広告代理店の仕事は成立する。むしろ、余計なことを言わず、決められた範囲だけをこなす方が、広告代理店にとっては効率が良い。

しかし、それでは事業は伸びない。

ソイルが本気で関わるというのは、この壁を一緒に越えようとすることだ。広告の外に問題があるなら、それを指摘し、一緒に解決策を考える。お客様の事業を伸ばすために必要なら、広告運用の枠を超えていく。そのためのアセットを揃える。

実際、ソイルがお客様と交わす議論が、広告以外に及ぶことは珍しくない。「広告でここまでは伸ばせます。しかし、目標を達成するには広告だけでは足りない。ここから先はこのような施策を試してみませんか?」このような議論になる。広告で伸ばせる範囲と、難しい範囲を正直にお伝えして、広告以外の範囲まで一緒に考える。

「事業のことを一緒に考えてくれるパートナーがいる」お客様にそのように思っていただくことをソイルとしては目指している。

お客様の事業を、自分の事業のように考える

これは精神論ではない。仕組みに落とし込むような実務の話である。お客様の事業を、本気で自分の事業のように考えると、見えてくるものが変わる。

「この広告費の使い方は、本当に事業のためになっているか」

「この施策は、短期の数字は作れるが、長期のブランドを損なわないか」

「自分がこの会社の経営者だったら、この提案にお金を払うか」

このような問いを、定期的に行う。

お客様について、事業について、事業に関わる人達について、深く知ろうとする。

広告代理店の担当者の中には、お客様のサービスを深く理解せず、的外れな提案や質問をしてしまう人もいる。お客様のブランドを、まるで自分が売る立場であるかのように理解する。誰に、どんな価値があって、なぜ選ばれているのか。他社と比べてどのような特長があるのか。ちゃんと理解するからこそ、的を射た改善提案が生まれる。事業理解は、お客様と本気で関わることの出発点なのだ。

本気で関わるから意味がある

広告運用は、地味な仕事かもしれない。

日々、仮説を立て、検証し、数字を見て、また次のアクションを考える。その繰り返しだ・しかし、その繰り返しでしか、事業は伸ばせない。

そして、顧客が増える。事業が次のステージに進む。お客様の担当者から「ありがとう」「頼んで良かった」と言われた時、広告運用は、ただの作業ではなくなる。

誰かの事業の成長に、本気で関わり、貢献した。その瞬間が、この仕事の意味だ。

お客様の担当者が、ソイルとのやりとりを通じて広告運用に詳しくなり、自分達でも広告の判断ができるようになっていく。最初は「この数日、数字が悪いんですが大丈夫ですか」と不安そうに聞いていた担当者が、やがて「これは短期の変動だから様子を見ましょう」と言えるようになる。お客様の中に、マーケティングの力が育っていく。これも、本気で関わったからこそ生まれる成果だと思う。

ソイルが広告運用という仕事に誇りを持っているのは、この仕事が、誰かの事業の成否に、本気で関われる仕事だからだ。

作業として扱えば、作業にしかならない

広告運用は、作業として扱えば、作業にしかならない。

管理画面の数字を、ただの数字として見れば、無機質なゲームにしかならない。

しかし、その数字の向こうにある事業を見て、その事業に関わる人を想像すれば、広告運用は、誰かの人生に関わる、意味のある仕事になる。

どちらの仕事をするかは、向き合う姿勢で決まる。同じスキルを持っていても、同じ管理画面を見ていても、姿勢ひとつで仕事の中身は変わる。

ソイルは、後者でありたい。

クライアント企業の事業に本気で関わり、その成否を自分事として引き受ける。広告の枠を超えて、一緒に事業の壁を越えようとする。広告運用という仕事を、そういう仕事としてやり切りたいと思っている。