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「営業からマーケティングに移りたい」。結論から言うと、営業からマーケティングへの転職は、未経験転職の中で最も多く、採用側にも想定されているパターンです。武器は「顧客を知っている」「数字で動いてきた」の2点です。
ただし、営業の実績をそのまま書いても伝わりません。「月間新規20件」を「リード獲得から商談化率までのファネル改善経験」とマーケティングの言葉に翻訳できるかどうかで、書類の通過率は大きく変わります。
ソイルエージェントを運営するSOIL株式会社は、広告運用・マーケティング支援を行いながら、企業のマーケター採用代行も担っています。営業出身者の書類を「採用する側」として読む立場から、翻訳例・志望動機・年収の変化を出典付きで解説します。
営業とマーケティングの違い|転職前に押さえる4つの視点
営業は個別の顧客を動かす仕事、マーケティングは顧客群を仕組みで動かす仕事で、目的・対象・時間軸・評価指標が違います。
| 視点 | 営業 | マーケティング |
|---|---|---|
| 目的 | 目の前の商談を受注に導く | 商談(または購買)が生まれる仕組みを作る |
| 対象 | 個別の顧客・担当者 | 顧客群(セグメント・ターゲット層) |
| 時間軸 | 月次・四半期の目標達成 | 施策の検証サイクルと中長期の積み上げ |
| 評価指標 | 受注件数・売上・達成率 | リード数・CPA・CVR・LTVなど工程ごとの指標 |
営業は「1対1で深く」、マーケティングは「1対多を数字で」。ここを押さえないと志望動機も職務経歴書も「営業の延長」に見えますが、逆に押さえれば営業経験のどこが効くのかが見えます。
マーケティングの採用側が営業経験者に期待する3点・警戒する2点

採用側は営業出身者に顧客理解・数字への耐性・調整力を期待し、個人プレー志向と短期志向を面接で確かめています。
採用代行の現場では、「営業出身の未経験者なら採りたい」という声が実際に多いです。ただし、doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)」でdoda編集長が「企業による厳選採用の傾向が一段と強まっている」と述べる通り、「営業経験がある」だけでは通りません。
期待している3点
顧客理解:顧客の課題や断り理由を現場の言葉で知っている。ターゲット設定や広告文の仮説づくりに直結し、最も高く評価されます。
数字への耐性:目標を追い、未達の原因を探して動いた経験がある。CPAやCVRを日々追う広告運用と構造が同じです。
社内外の調整力:顧客・上司・他部門の間で話をまとめてきた。営業・制作・外部パートナーとの調整が多いマーケティングで、そのまま効きます。
警戒している2点と、面接での確かめ方
個人プレー志向:「自分が売る」ことに価値を置きすぎると、仕組みを作る仕事に馴染めない。面接では「チームの数字を上げるために何をしましたか」と聞かれます。
短期志向:今月の数字だけを見る癖があると、検証に時間がかかる施策を投げ出す。面接では「成果が出るまで3ヶ月かかる施策をどう進めますか」と確かめられます。
この2点は、面接で問われる前に、志望動機と職務経歴書で打ち消しておくのが鉄則です。未経験採用全体で企業が見るポイントは、ピラー記事「未経験からマーケターになるには」にまとめています。
営業経験を「マーケティングの言葉」に翻訳する方法|営業種別4パターン

営業の実績は、マーケティングのどの工程に効くかを明示し、転換率など指標の言葉で言い換えると採用側に伝わります。
「達成率120%」のように営業の言葉のまま書かれた実績を、採用側は「マーケティングのどの仕事に効くのか」まで読み取ってはくれません。営業種別ごとに翻訳の型を示します。
法人新規営業:開拓の実績を「ファネル改善」に翻訳する
営業での実績の書き方:「テレアポと紹介で月間新規20件の商談を獲得、受注率25%」
マーケティングでの言い換え:「リスト作成→アプローチ→商談化→受注の各工程の転換率を記録し、業種別の反応率の差から優先順位を変えた。リード獲得から商談化率までのファネル改善の経験」
狙いやすい職種:BtoB広告運用(リード獲得型)、BtoBマーケティング(MA運用・ウェビナー企画)
新規営業は「誰に・何を・どの順で届けるか」を日々試している点で、獲得型マーケティングに最も近い仕事です。記録した断り理由は、ターゲット外の流入を減らす除外条件の素材になります。
法人ルート営業:既存顧客の深耕を「LTV・CRM」に翻訳する
営業での実績の書き方:「担当30社を定期訪問し、前年比110%の売上を維持」
マーケティングでの言い換え:「顧客ごとの購買頻度・単価を把握し、発注間隔の変化から離反の予兆を察知して先回り提案。アップセル・クロスセルでLTV(顧客生涯価値)を伸ばした経験」
狙いやすい職種:CRM・顧客育成(メール・LINE配信設計)、カスタマーマーケティング
ルート営業は「売る」より「維持し、広げる」仕事で、獲得後の工程(継続・LTV)に強みがあります。
個人営業:購買心理の観察を「訴求設計・CVR改善」に翻訳する
営業での実績の書き方:「住宅(保険・自動車等)の個人営業で年間契約◯件、紹介率◯%」
マーケティングでの言い換え:「来店から契約までの離脱ポイントを把握し、説明の順番や比較資料を変えて成約率を改善。顧客が『決める瞬間』の心理を踏まえた訴求設計・CVR改善の経験」
狙いやすい職種:BtoC広告運用(LP・バナーの訴求検証)、EC・D2Cマーケティング、LP改善(CRO)
個人営業の商談は、Webで言えばLP(ランディングページ)そのものです。「先に不安を消してから価格を出すと決まりやすい」という気づきは、LP構成案やABテストの仮説に直結します。
インサイドセールス:架電・メール運用を「スコアリング・MA」に翻訳する
営業での実績の書き方:「月間400件の架電、商談化率8%、SFAへの入力・管理」
マーケティングでの言い換え:「リードの属性・行動ごとに商談化率の差を分析し、優先順位(スコアリング)とトークを調整。MA/SFAのデータを扱い、マーケティングと営業の接続点を運用した経験」
狙いやすい職種:BtoBマーケティング(MA運用・リードナーチャリング)、マーケティングオペレーション
職種名こそ営業ですが、中身はすでに半分マーケティングです。「この条件のリードは商談化しにくい」と根拠を持って言える人は、マーケ側から見て貴重です。
共通するコツは、「件数」ではなく「工程ごとの転換率」で、「頑張った」ではなく「何を見て、何を変えたか」で語ることです。
営業出身者が入りやすい4つのマーケティング職種
営業出身者が通りやすいのは、広告運用・インサイドセールス兼務のBtoBマーケ・CRM/顧客育成・営業企画経由の4職種です。
「マーケティング」と一括りにせず、営業経験が評価される入口を選ぶのが近道です。
1. 広告運用(支援会社・事業会社)
未経験採用が最も多い入口で、CPA(顧客獲得単価)やCVR(転換率)を日々見て改善する構造が営業と同じです。
2. インサイドセールス兼務のBtoBマーケティング
BtoBの事業会社では、「マーケ担当がリードを作り、初回アプローチも行う」兼務型の募集が少なくありません。営業出身者は架電やメール対応で初日から戦力になり、働きながらMA運用を覚えられます。
3. CRM・顧客育成(既存顧客マーケティング)
メール・LINE・アプリ通知で、既存顧客の継続や再購入を設計する仕事です。ルート営業・個人営業で「関係を続けた」経験が活き、募集は少ないものの応募者も相対的に少ない入口です。
4. 営業企画からマーケティングへ展開する
現職で営業企画に異動し、営業データの分析や販促設計を経験してから移るルートです。「数字を分析して仕組みを作った」実績を積めるため、転職時の年収ダウンを抑えやすい選択肢です。
営業からマーケティングへの志望動機の書き方と例文2本
志望動機は「きっかけ→裏付け行動→貢献の仮説」の3ステップで構成し、営業の実績を指標の言葉で書くと伝わります。
避けたいのは、「ノルマがつらかった」「裏方が向いている」と読める表現です。マーケティングも数字責任のある仕事で、「数字から逃げた」と判断されます。3ステップの詳細と他の前職の例文は「未経験の志望動機(例文)」にあるため、ここでは営業出身に特化した2本を示します。数値は架空です。
例文1:法人営業から(新規開拓3年 → BtoB事業会社のマーケティング)
法人向け人材サービスの新規営業として3年間、月間20件前後の商談を獲得してきました。断り理由を記録して分類したところ、商談後も接点を持ち続けた顧客ほど半年後の受注率が高いと気づき、個人の努力で追うより接点を保つ仕組みを作る側に関心を持ちました。現在はGoogle広告認定資格を取得し、MAツールの基礎を学習しています。貴社はインサイドセールスとマーケティングが連携してリード獲得を進めていると伺っています。商談化しやすいリードの条件を現場で見てきた経験は、ターゲット設定やナーチャリングのシナリオ設計に活かせると考えています。入社後は商談化率まで追い、営業部門と同じ数字を見るマーケターを目指します。
この例文のポイント
「断り理由を記録・分類し、受注率の差に気づいた」行動が、マーケティング的思考の証拠になっている
「営業部門と同じ数字を見る」で、個人プレー志向への警戒を先に打ち消している
例文2:個人営業から(住宅営業4年 → 支援会社のBtoC広告運用)
住宅会社の個人営業として4年間、来場されたお客様の接客から契約までを担当してきました。接客の順番を「価格より先に不安の解消」に変えたところ成約率が改善し、お客様が決断する瞬間の心理に関心を持つようになりました。現在は少額で自分のSNSアカウントに広告を出し、訴求文の違いで反応がどう変わるかを検証しています。貴社は住宅・不動産業界の広告運用に強みをお持ちと伺いました。来場後のお客様が何に迷い、何で決めるかを知っている経験は、来場予約を成果地点とする広告の訴求案やLP改善の提案に活かせると考えています。入社後は接客側の知見を数字で検証し、来場後の成約率まで見た提案ができる運用者を目指します。
この例文のポイント
「接客の順番を変えて成約率が改善した」は、個人営業の実績をCVR改善に翻訳した例
「来場後の成約率まで」で、クリックで終わらず事業の数字を見る視点を示し、短期志向の懸念を消している
いずれも「営業が嫌だから」ではなく、「営業で見つけた問いを仕組みの側で解きたい」という流れです。
営業からマーケティングへ転職すると年収はどう変わるか
営業系とマーケティング職の平均年収は近い水準ですが、未経験の初年度は下振れを見込み、3年で回復させる設計が現実的です。
doda「平均年収ランキング(2025年)」で、営業系とマーケティング職を比べると次の通りです。
| 職種(doda分類) | 全体平均 | 20代 | 30代 | 40代 |
|---|---|---|---|---|
| 営業系 全体 | 476万円 | 406万円 | 528万円 | 618万円 |
| Webマーケティング | 471万円 | 414万円 | 514万円 | 652万円 |
| マーケティング | 550万円 | 417万円 | 562万円 | 742万円 |
出典:平均年収ランキング(2025年)転職サービス「doda」 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
全体平均では、営業系(476万円)とWebマーケティング(471万円)はほぼ同水準です。ただしこれは経験者を含む平均で、未経験の初年度は同職種の20代平均(Webマーケティング414万円)に近い水準から始まる可能性を見込むべきです。成果給が厚かった人ほど、ダウンは大きく感じられます。
「下がる幅」ではなく「戻る期間」を設計する

採用側が評価するのは、「下がっても我慢します」ではなく「3年で戻す計画があります」と言える候補者です。
1年目:運用・分析の型を覚え、1人で担当アカウントや施策を持つ
2年目:CPA改善・CVR改善の実績を数字で持ち、評価面談で交渉の根拠にする
3年目:社内昇給か転職市場での再評価で、30代平均(Webマーケティング514万円)への回復を目指す
年収の構造は「30代未経験からマーケティング転職」も参考にしてください。
営業経験者がマーケティング転職でやりがちな3つの失敗
営業の延長で考えて数値を分解しない、「売る力」を押しすぎる、トップ営業の自信で学習を省く、の3つが典型的な失敗です。
営業経験は武器ですが、使い方を間違えると「営業の人」としか見られません。採用の現場で繰り返し見る3つです。
失敗1:営業の延長で考えて、数値を分解しない
「売上120%達成」で止まり、「表示→クリック→問い合わせ→商談→受注」のどの工程で何が変わったのかを語れないケースです。マーケティングは工程ごとの転換率を見て改善する仕事なので、分解できない実績は評価しにくいのです。書く前に、営業プロセスを工程に分けて数字を思い出してください。
失敗2:「売る力」を押しすぎて、「仕組みを作る」視点を示せない
「自分なら売れる」というアピールは、個人プレー志向の懸念を与えます。マーケティングは、自分が商談に出なくても売れる状態を作る仕事です。「トークスクリプトを作って部署の数字を上げた」など、個の力を仕組みに変えた経験を1つ入れてください。
失敗3:トップ営業の自信で、学習を省く
成果を出してきた人ほど「現場に入れば覚えられる」と学習を後回しにしがちですが、採用側は未経験者に「学習の証拠」を求めます。Google スキルショップのGoogle広告認定資格やGA4認定資格は無料で学習・受験できます。「管理画面の言葉も分かる営業出身者」で応募するのが最短です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 営業からマーケティングへの転職はしやすいですか?
未経験転職の中では最も多く、採用側にも想定されているパターンです。ただし営業の実績をそのまま書くと伝わらないため、工程ごとの転換率と「何を見て何を変えたか」で語り直すのが条件です。
Q2. 営業経験は何年あればマーケティングに転職できますか?
明確な基準はありません。採用側が見るのは年数より「数字を見て改善した経験を語れるか」です。1〜2年でも商談化率や断り理由を記録・分析していれば評価され、10年あっても「頑張って売った」しか語れなければ評価は伸びません。
Q3. 営業からマーケティングに転職すると年収は下がりますか?
doda「平均年収ランキング(2025年)」では営業系476万円、Webマーケティング471万円と全体平均は近い水準です。ただし未経験の初年度は20代平均(Webマーケティング414万円)に近い水準を見込み、3年で回復させる設計で進めましょう。
Q4. 「営業が嫌で逃げたい」は志望動機になりますか?
そのままでは通りません。マーケティングにもCPAやCVRなどの数字責任があり、「数字から逃げた」と判断されるからです。ただし、嫌になった理由を分解すると種が見つかります。「1対1の説得より、多くの人に届く仕組みを作りたい」のように、「何から離れたいか」ではなく「何に向かいたいか」の形に変換してください。
まとめ:営業からマーケティングへの転職は「翻訳」で決まる
営業からマーケティングへの転職は、未経験転職で最も多いパターンです。ただし、営業の実績を「マーケティングの言葉」に翻訳できるかどうかで結果が分かれます。
採用側が期待するのは「顧客理解」「数字への耐性」「調整力」、警戒するのは「個人プレー志向」「短期志向」
営業種別の実績は、ファネル改善・LTV・CVR改善・スコアリングの言葉に翻訳できる
年収は初年度の下振れを見込み、3年で回復させる計画を語る
ソイルエージェントは、現役で広告運用・マーケティング支援を行い、企業のマーケター採用代行も担うSOIL株式会社が運営する転職サービスです。採用する側の基準を知っているからこそ、「あなたの営業実績が、どの職種でどう読まれるか」を一緒に翻訳し、通る書類を準備できます。求職者の方は無料でご利用いただけます。
監修:SOIL株式会社
SOIL株式会社(京都・東京)は、運用型広告を中心とした広告運用代行・インハウス支援・マーケティング総合支援・マーケター採用代行を行うマーケティング支援会社です。有料職業紹介事業許可番号:26-ユ-300751。
参考・出典
平均年収ランキング(2025年)転職サービス「doda」 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)」(2026年7月23日発表)https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/2026/07.html
Google スキルショップ(Google広告認定資格)/Google アナリティクス(GA4)認定資格(各公式サイト)