Webマーケティング未経験は厳しい?採用側が語る“通る人”の条件

目次

結論から言うと、未経験からのWebマーケティング転職が厳しいのは事実です。ただし、採用の現場で落ちているのは「未経験者」ではなく「準備なしで応募する未経験者」です。通る人には、才能ではなく行動の共通点があります。

ソイルエージェントを運営するSOIL株式会社は、広告運用・マーケティング支援を現役で行いながら企業のマーケター採用代行も担う、未経験者の書類を日常的に「採用する側」として見ている立場です。その視点から「なぜ厳しいのか」「通る人は何が違うのか」「どこから入るのが現実的か」を解説します。

未経験からマーケターを目指す全体像は「未経験からマーケターになるには」から読むと理解が早くなります。

Webマーケティング未経験が「厳しい」と言われる3つの構造的理由

厳しさの正体は、求人の偏り・学習の証拠を求めるポテンシャル採用・高い応募倍率という3つの構造にあります。

「厳しい」と感じる原因は応募者の能力不足ではなく、採用市場の構造にあります。構造を知らずに応募すると、どれだけやる気があっても落ちます。

理由1:未経験OK求人は支援会社(広告代理店)に偏っている

未経験者が最初に狙いがちな事業会社(メーカー・EC・SaaSなど自社商品を売る会社)のマーケティング職は、1〜数名の少人数チームで回しているケースが多く、育成に時間を割く余裕がないため経験者採用が前提になります。未経験OKの事業会社求人がほとんど見つからないのは、このためです。

一方、広告代理店やマーケティング支援会社は、複数クライアントの運用を同時に回すため、アシスタントから育てる前提で採用枠を持っています。育てる仕組みがあるから採れる、という構造です。

背景には市場の拡大もあります。電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で初めて4兆円を超え、総広告費の50.2%と初めて過半数に達しました。運用型広告を日々回す人手は、支援会社側で常に足りていません。

理由2:ポテンシャル採用は「学習の証拠」を要求する

採用側の本音を言えば、未経験者を1人採ることは、半年から1年分の育成コストを先払いすることです。だからこそ書類と面接で確かめるのは「この人は自分で学び続けられるか」の1点であり、「やる気があります」「成長したいです」は証拠になりません。

証拠になるのは、お金をかけずにできることを応募前にすでにやっているかどうかです。こうした行動がない応募者は、採用側からは「学ぶ前に採ってほしいと言っている人」に見えてしまいます。

理由3:応募倍率が高く、「未経験」だけでは差別化できない

doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)」では、転職求人倍率は2.55倍(前年同月差+0.22)、求人数は前年同月比+16.6%と、数字上は求職者有利に見えます。しかし同レポートでdoda編集長は「企業による厳選採用の傾向が一段と強まっている」「より高い専門性や即戦力性を重視」とコメントしています。求人は多いのに厳選される、これが未経験者が体感する厳しさの正体です。

Webマーケティングは人気職種のため、数少ない未経験OK求人に未経験者が集中し、採用側の机には「未経験・やる気あり・成長したい」と書かれた似た書類が何十枚も並びます。違いを示せない書類は、読まれる前に埋もれます。

それでも未経験からWebマーケティングに通る人の5つの共通点

通る人は、無料教材での学習・小さな実践・数字で語れる前職・具体的な志望動機・正しい応募戦略を揃えています。

採用側として未経験者の書類と面接を見ていると、通る人には明確な共通点があります。特別な才能ではなく、応募前の行動の差です。

共通点1:無料の公式教材で学習を終えている

Google スキルショップ(Google広告認定資格)、Meta Blueprint、Google アナリティクス(GA4)認定資格、Google Search Console ヘルプは、いずれも無料で学習できる公式教材です(Googleの認定は受験も無料)。採用側は資格そのものではなく、「無料で手に入る知識を、言われる前に取りに行った」という行動を評価しています。

面接では「検索広告とディスプレイ広告の違いは」「コンバージョンとは」といった基礎を、自分の言葉で説明できるかを確認されます。ここで詰まる人は、どれだけ熱意を語っても「学習の証拠がない」と判断されます。

共通点2:自分で小さく運用・発信した実績がある

ブログを立てて検索流入の推移を見た、SNSを運用してフォロワーの伸びを記録した、少額でも自分の広告を出してみた。規模は問われません。採用側が見ているのは「仮説を立てる→実行する→数字を見る→直す」という一回転を自分で経験しているかどうかです。

面接で「何を試して、何が起きて、どう直しましたか」と具体的に答えられる人は、採用側に「入社後に育てるイメージ」が湧きます。

共通点3:前職の経験を「数字」で語れる

営業・販売・事務・接客など、前職の職種は問いません。重要なのは「売上を前年比で何%伸ばしたか」「1日に何件の問い合わせを処理したか」を数字で振り返れることです。Webマーケティングは成果を数字で測る仕事なので、採用側は「数字で振り返る習慣」の有無を前職の話し方から見ています。

共通点4:志望動機が「なぜ支援会社か」まで具体的

「Webマーケティングに興味がある」「将来性があると思った」は、応募者全員が書いています。通る人は、「なぜ事業会社ではなく支援会社なのか」「なぜ広告運用から入りたいのか」「この会社のどの案件・考え方に惹かれたのか」まで言語化しています。

採用側はこの部分から情報収集の深さ、つまり入社後のキャッチアップ速度を推測しています。

共通点5:応募の母数と順番が正しい

通らない人の典型は、最初に事業会社の人気求人へ数社だけ応募し、全滅して「やっぱり未経験は厳しい」と諦めるパターンです。通る人は、入口になる求人(支援会社のアシスタント職など)を中心に十分な母数で応募し、面接を受けながら志望動機を磨いていきます。書類も面接も場数で改善されるため、最初の数社の結果で可能性を判断しないことが最短ルートになります。

Webマーケティング未経験が現実的に狙える3つの入口ルート

入口は支援会社の広告運用アシスタント、事業会社のマーケ補助・営業兼務、インターン・業務委託での実績作りの3つです。

「どこから入るか」を間違えると、準備が十分でも通りません。採用側から見て、未経験者が現実的に入れる入口は次の3つです。

ルート1:支援会社の広告運用アシスタント

最も求人数が多く、未経験採用が制度として設計されている入口です。入社後は入稿・レポート作成・数値チェックといった定型業務から始まり、徐々に運用設計や改善提案へ広がります。複数クライアントを並行して担当するため、短期間で経験の密度が上がります。

向いている人向いていない人
数字を毎日見ることが苦にならない1つの商品にじっくり関わりたい
複数の案件を並行して回せる納期や予算のプレッシャーに弱い
学ぶスピードで勝負したい定型業務を軽視してしまう

ルート2:事業会社のマーケ補助・営業兼務ポジション

「営業(マーケティング業務含む)」「インサイドセールス」「ECサイト運営スタッフ」といった形で募集されているポジションです。純粋なマーケティング職ではありませんが、自社商品の売上やサイトの数字に直接触れられます。

一つの商材を深く理解したい人、顧客と直接話すことが得意な人に向いています。入社直後はマーケティング業務の比率が低いことが多いため、「早くマーケ業務だけをやりたい」人には向きません。

ルート3:インターン・業務委託・副業で実績を作ってから応募する

社会人インターン、知人の店舗のSNS運用、クラウドソーシングでの広告運用補助などで小さな実務を経験し、「実務経験あり」として応募できる状態を作るルートです。時間はかかりますが、応募先の選択肢が大きく広がります。現職を続けながら準備できる人に向いており、短期間で転職を決めたい人には向きません。

年齢別に見るWebマーケティング未経験転職の難易度

20代前半は通りやすく、20代後半は前職の数字が武器、30代は役割の掛け算、40代はマネジメント経験との組み合わせが鍵です。

未経験転職の難易度は年齢で大きく変わります。以下は採用現場での感覚的な目安であり、統計データではない点をご了承ください。

年代難易度の目安採用側が見るポイント有効な戦略
20代前半比較的低い学習意欲と基礎学習の証拠ポテンシャル採用の中心層。無料教材+小さな実践で十分戦える
20代後半やや上がる前職での成果と「なぜ今か」の説明前職の数字を武器にし、キャリアチェンジの理由を明確に
30代高い年収調整を受け入れられるか、前職スキルとの掛け算営業・企画・管理などの経験を「マーケに活かせる形」で提示
40代かなり高いマネジメント経験・業界知識とマーケの組み合わせ純粋な未経験枠は少ない。経験領域×マーケの複合ポジションを狙う

年収面の現実も知っておく必要があります。doda「平均年収ランキング(2025年)」では、Webマーケティングの平均年収は20代414万円、30代514万円ですが、30代の数字は経験者を含んだ平均です。未経験で入る場合は年齢に関わらず20代水準からのスタートが多く、前職年収との差を受け入れられるかが30代以降の分かれ目です。

「やめとけ」と言われる本当の理由と、Webマーケティングに向いていない人

「やめとけ」の正体は入口の年収・業務の地味さ・成果責任の重さであり、数字と改善を楽しめない人には向きません。

「Webマーケティング 未経験 やめとけ」という検索が一定数あるのは、入社後にギャップを感じて辞める人がいるからです。ここを隠して入社してもらっても誰も得をしないので、正直に書きます。

「やめとけ」の正体は4つ

1つ目は、入口の年収が高くないことです。doda「平均年収ランキング(2025年)」で、Webマーケティング20代の平均年収は414万円。営業系20代の406万円とほぼ同じで、事務/アシスタント系20代の321万円よりは高い程度で、「稼げる」イメージで入ると落差を感じます。

2つ目は、最初の仕事が地味なことです。入稿、レポート作成、数値チェックが中心で、「戦略を考える仕事」はすぐには回ってきません。

3つ目は、成果が数字で出るため言い訳ができないことです。予算を預かる以上、数字が悪ければ理由を説明し、改善する責任が伴います。

4つ目は、学び続けないと知識が陳腐化することです。広告媒体の仕様は頻繁に変わり、AIによる自動化も進んでいるため、「一度覚えたら安泰」という仕事ではありません。

向いていない人の特徴

採用側の経験から、入社後に苦しむ人には共通点があります。数字を見ると気が重くなる人、「正解」を教えてもらいたいタイプで自分で仮説を立てるのが苦手な人、定型業務を「自分がやる仕事ではない」と感じる人、変化や仕様変更をストレスに感じる人です。逆に言えば、これらが苦にならない人にとって「やめとけ」は当たりません。

Webマーケティング未経験から今日始める3ステップ

①無料教材で基礎を固め、②小さく実践して実績化し、③採用側を知る人に書類を見てもらう、の順で進めます。

ここまで読んで「それでもやりたい」と思えた方は、通る側に回るための準備を今日から始められます。順番が重要です。

ステップ1:無料の公式教材で基礎を固める

まずGoogle スキルショップでGoogle広告認定資格の学習から始めてください。続けてGoogle アナリティクス(GA4)認定資格、Meta Blueprintへ進むと、面接で聞かれる基礎用語はほぼ押さえられます。資格取得が目的ではなく、「面接で自分の言葉で説明できる状態」をゴールにしてください。

ステップ2:小さく実践して「語れる実績」にする

学んだ知識を使って、ブログ・SNS・少額広告のいずれかを自分で動かしてください。重要なのは記録を残すことです。何を仮説にして、何をやって、数字がどう動いて、どう直したかをメモで残しておけば、そのまま面接の材料になります。

見られるのは改善の過程であり、フォロワー数やアクセス数の絶対値ではありません。

ステップ3:採用側を知る人に書類を見てもらう

未経験者の書類で最も多い失敗は、本人は「やる気」を書いているつもりでも、採用側には「証拠がない」と映っていることです。このズレは自分では気づけないため、採用側の視点を持つ人に見てもらう必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. Webマーケティングは未経験でも難しいですか?

準備なしで応募すれば難しいですが、未経験採用の枠は支援会社を中心に存在します。無料教材での学習、小さな実践、数字で語れる前職経験の3つを揃えて応募すれば、現実的に通る可能性はあります。難しいのは「未経験であること」ではなく、「学習の証拠がない状態で応募すること」です。

Q2. Webマーケティング未経験は何から始めるべきですか?

Google スキルショップでGoogle広告認定資格の学習から始めるのが最も効率的です。無料で、公式で、採用側にも伝わりやすいからです。並行して自分のブログやSNSを運用し、数字を見る経験を積んでください。

Q3. Webマーケティングに向いている人の特徴は?

数字を見て仮説を立てることが好きな人、地味な作業を積み上げられる人、仕様変更や新しいツールを楽しめる人が向いています。逆に、正解を教えてもらいたいタイプや、変化をストレスに感じる人は苦労しやすいです。

Q4. ウェブマーケターの月収はどのくらいですか?

doda「平均年収ランキング(2025年)」によると、Webマーケティングの平均年収は471万円で、単純に12で割ると月収換算で約39万円(賞与込みの目安)です。年代別では20代414万円(約35万円)、30代514万円(約43万円)、40代652万円(約54万円)です。未経験で入社する場合は、年齢に関わらず20代水準の約35万円前後からのスタートが多いと考えてください。

※年収を12で割った目安であり、毎月の給与額ではありません。

Webマーケティング未経験が厳しいのは「準備なし」の場合

Webマーケティング未経験が厳しいのは事実ですが、厳しいのは「準備なしの未経験」であり、通る人には明確な共通点があります。

  • 厳しさの正体は、未経験OK求人が支援会社に偏る構造、学習の証拠を求めるポテンシャル採用、厳選採用が進む高倍率の3つ
  • 通る人は、無料教材での学習・小さな実践・数字で語れる前職・具体的な志望動機・正しい応募戦略を揃えている
  • 現実的な入口は、支援会社の広告運用アシスタント、事業会社のマーケ補助・営業兼務、インターン・業務委託の3つ
  • 今日からできるのは、無料教材で基礎を固め、小さく実践し、採用側を知る人に書類を見てもらうこと

採用側が未経験者に求めているのは才能ではなく「応募前に動いた証拠」です。この準備を一つずつ進めれば、「厳しい」側から「通る」側に移ることは十分に可能です。

ソイルエージェントは、広告運用やマーケティング支援を現役で行い、企業のマーケター採用代行も担う会社が運営する転職サービスです。採用する側の基準を知っているからこそ、今の書類で何が足りないか、どのルートから入るのが現実的かを一緒に整理できます。まずはLINEからお気軽にご相談ください。


監修:SOIL株式会社

SOIL株式会社(京都・東京)は、運用型広告を中心とした広告運用代行・インハウス支援・マーケティング総合支援・マーケター採用代行を行うマーケティング支援会社です。有料職業紹介事業許可番号:26-ユ-300751。


参考・出典