Webマーケティングは「やめとけ」?将来性と後悔しない人の条件

目次

結論から言うと、「Webマーケティングはやめとけ」という声には根拠があります。入口の年収が高くない、最初の1〜2年は地味な作業が続く、成果が数字で出て言い訳できない、媒体の仕様変更で学び続ける必要がある、AIに仕事を奪われる不安がある。この5つは、現役で広告運用を行う私たちから見ても事実です。

ただし、この5つを受け入れられるかで結論は正反対になります。受け入れられる人には市場も求人も伸びている将来性の高い仕事であり、受け入れられない人は本当にやめた方がいい仕事です。

ソイルエージェントを運営するSOIL株式会社は、運用型広告を中心にマーケティング支援を現役で行い、企業のマーケター採用代行も担っています。入社後に後悔した人と活躍する人の両方を見てきた立場から、あなたがどちら側かを判断する材料を提供します。未経験からマーケターになる全体像は未経験からマーケターになるには(ピラー記事)でまとめています。

Webマーケティングが「やめとけ」と言われる5つの理由

「やめとけ」の根拠は、入口の年収・地味な下積み・数字の責任・学習負荷・AIへの不安の5つで、いずれも事実です。

隠しても入社後のギャップになるだけなので、現役の運用会社として正直に書きます。

理由1:入口の年収が高くない

doda「平均年収ランキング(2025年)」では、Webマーケティングの平均年収は471万円、20代は414万円です。未経験で入る場合は年齢に関わらず20代平均の414万円前後が目安で、「稼げる」イメージで入ると最初の年収で落差を感じます。

ただし同ランキングで30代は514万円、40代は652万円と経験に応じて上がるため、入口の低さは「経験を積む前の値段」です。

理由2:最初の1〜2年は地味な作業が続く

最初に任されるのは、入稿・数値チェック・レポート作成・配信先の整理といった定型業務で、「戦略を考える」仕事はこの下積みを正確にこなせるようになった後に回ってきます。この期間を「雑用」と感じるか「数字の読み方を体で覚える期間」と感じるかで、2〜3年後の姿が変わります。

理由3:成果が数字で出て、言い訳ができない

何をしたかではなく、何件の問い合わせが何円で取れたかで評価される仕事です。予算を預かる以上、数字が悪ければ理由を説明し、改善策を出す責任があります。この透明さを「公平」と感じる人と「逃げ場がない」と感じる人に分かれ、後者には本当にきつい仕事です。

理由4:媒体の仕様変更が速く、学び続ける必要がある

Google広告やMeta広告などの主要媒体は、入札の仕組み、計測の方法、管理画面の構成が頻繁に変わります。1年前の正解が今年は通用しないことも珍しくなく、学ぶこと自体が苦痛な人には終わりのないマラソンに見えるはずです。

理由5:AIで自動化されるという不安

入札調整やレポート作成、広告文の案出しなど、運用者が手作業で行っていた領域にAIや自動化機能が入ってきました。「AIに置き換わる」「オワコン」という声の多くはこの変化を根拠にしていますが、この不安は半分正しく半分は誇張です。何が置き換わり何が残るかは、次章以降で作業単位に説明します。

それでもWebマーケティングの将来性が高い3つの理由

市場は拡大し、求人倍率は上昇し、AIは作業を減らしても判断・設計・責任は人に残るため、将来性は高いと言えます。

「やめとけ」の5つを認めた上で、それでも将来性が高いと考える理由は3つあります。公開データで確認できるものから挙げます。

理由1:市場が拡大し、広告費の半分以上がインターネットになった

電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で初めて4兆円を超え、総広告費8兆623億円に占める構成比は50.2%と初めて過半数に達しました。企業がお金を使う場所が移っている以上、その予算を動かせる人の需要がなくなることは考えにくいです。

理由2:求人は増え、専門性のある人材はむしろ不足している

doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)」では、転職求人倍率は2.55倍(前年同月差+0.22)、求人数は前年同月比+16.6%です。同時にdoda編集長は「企業による厳選採用の傾向が一段と強まっている」「より高い専門性や即戦力性を重視」とコメントしています。

つまり「求人は多いが、誰でもいいわけではない」状況で、入って専門性を積んだ人の価値は上がり続けます。本当に「オワコン」なら求人は減り厳選も緩むはずで、起きていることは逆です。

理由3:AIは「作業」を減らすが、「判断・設計・責任」は人に残る

現役の運用現場から見ると、AIが置き換えているのは「決まったルールで繰り返す作業」です。誰に何をいくらで売るかという目標設計、予算の配分判断、数字が悪いときの原因特定と次の一手、結果をクライアントや経営に説明する責任は、AIには渡せません。AIは問いに候補を返す道具であり、問いを立てる側に回れるかが、将来性を「自分のもの」にできるかの分かれ目です。

AIでなくなるWebマーケティングの仕事と、残る仕事

入稿・入札・レポートなどの定型作業は自動化が進み、目標設計・予算配分・示唆の抽出・訴求の仮説は人に残ります。

現役の運用現場で日々発生する作業を単位に、自動化の現状と人に残る部分を整理しました。進み方は媒体や会社で差があるため、一般的な傾向として読んでください。

作業AIによる自動化の現状(一般的な傾向)人に残る部分
入札・単価調整媒体側の自動入札が主流化し、手動調整の比重は低下何を目標にいくらまで使うかの予算配分と目標設計
レポート作成集計・グラフ化・定型レポートの自動生成が進む数字から「なぜ」を読み取り、示唆と提案に変える
クリエイティブ量産生成AIで文章・画像の案出しとバリエーション作成が加速どの訴求が誰に効くかの仮説と検証設計、出してよいかの判断
キーワード・配信先の選定自動拡張や提案機能で候補出しは自動化が進む商品理解に基づく除外・優先順位づけ、拡張しすぎを止める判断
報告・コミュニケーション文面の下書きや要約は生成AIで補助できる結果に責任を持って説明し、次の投資判断を引き出す

「人に残る部分」はすべて判断・設計・責任に関わり、その多くは「作業を自分でやった経験」の上に成り立っています。だからこそ入社1〜2年目の地味な作業は「AIに奪われる無駄な期間」ではなく「AIに指示を出せる側に回る訓練期間」であり、この認識で下積みをするかどうかで、3年後に自動化の波に飲まれるか乗るかが決まります。

「Webマーケターはオワコン」と言われる働き方と、そうでない働き方

言われた作業だけを回す作業型マーケターはAIに置き換わりやすく、目標と仮説を設計する設計型は需要が続きます。

「オワコン」という言葉は職種全体ではなく、特定の働き方に対しては当たっています。現場で見ていると、マーケターは入社2〜3年目で2つのタイプに分かれます。

作業型マーケター:言われたことを正確に回す

入稿・調整・レポートを指示どおりにこなし、数字が悪いと「媒体のせい」「予算が少ないせい」で終わる働き方です。1〜2年目は評価されることもありますが、作業の自動化が進むほど市場価値は下がり、年数を重ねても「運用経験○年」以上のアピールができません。「オワコン」が指しているのは、この作業型の未来です。

設計型マーケター:目標と仮説を立て、結果に責任を持つ

同じ作業をしながら、「この商品は誰にどんな理由で選ばれているか」「今月の数字が悪い原因は何で、来月は何を変えるか」を自分で考え、提案し、結果を引き受ける働き方です。AIが作業を肩代わりするほど、設計型が動かせる予算と案件数は増え、市場価値は上がります。

分かれ道は入社2〜3年目に来る

入社直後は誰もが作業型から始まり、2〜3年目に「作業が速くなった自分」に満足するか、「なぜこの数字になるのか」を考え始めるかで道が分かれます。この時期に目標設計や予算配分へ自分から関わろうとしたかが、その後のキャリアを決めます。

Webマーケティングに転職して後悔した人の共通点3つ

後悔した人は、入口の実態を知らず、入社後に学習をやめ、数字から逃げて感覚で仕事をしたという3点で共通しています。

採用側として入社後の様子を見ていると、「やめとけ」を実際に体験してしまった人には共通点があります。能力ではなく、入り方と働き方の問題です。

共通点1:入口(支援会社の実態)を知らずに入った

未経験OKの求人は広告代理店やマーケティング支援会社に偏り、最初の仕事は複数クライアントの運用アシスタントが一般的です。この構造を知らずに「自社ブランドの戦略を考える仕事」を想像して入ると、「思っていた仕事と違う」と感じます。求人が支援会社に偏る構造はWebマーケティング未経験は厳しい?で解説しています。

防ぐ方法は、応募前に求人票の「業務内容」欄を読み、最初の1〜2年に何をするかを具体的に想像することです。求人の業務内容欄を見比べ、「やめとけ」の5つの理由を求人票の中に自分で見つけられるなら、入口を知った上で判断できている状態です。

共通点2:入社後に学習をやめた

転職活動中は学んでいたのに、入社して業務に慣れた瞬間に学習が止まる人がいます。1〜2年は作業が回るので問題になりませんが、仕様変更やAIの進化に置いていかれ、3年目に「市場価値が上がっていない」と気づきます。Webマーケティングでは学習は仕事そのものに含まれ、「入社したら終わり」と捉えた人が理由4の負荷に後から押しつぶされます。

共通点3:数字から逃げて、感覚で仕事をした

数字が悪いときに原因を数字で切り分けず、「雰囲気を変えてみる」「なんとなく予算を動かす」と感覚で対処する癖がつくと、成果が出ても再現できず、出なくても説明できません。これは理由3の「言い訳できない」と正面から衝突し、評価されない期間が続いて後悔につながります。数字が苦手でも「見る習慣」で克服できる人は多いですが、強い抵抗がある場合は次の自己診断で正直に向き合ってください。

Webマーケティングで後悔しない人の条件と自己診断3問

数字・仮説・継続の3つに抵抗感が低い人は後悔しにくく、3問の自己診断でおおよその適性を確認できます。

後悔した人の共通点を裏返すと、後悔しない人の条件が見えてきます。才能や前職ではなく、「抵抗感の低さ」が条件です。

条件は「数字・仮説・継続」への抵抗感が低いこと

1つ目は数字で、売上や問い合わせ件数を毎日見て理由を考えることが苦にならない人は、「言い訳できない」を公平さとして受け止められます。2つ目は仮説で、「正解を教えてほしい」ではなく「たぶんこうだから試そう」と動ける人は、AIが候補を出す時代に問いを立てる側に回れます。3つ目は継続で、仕様変更や新しいツールを「少し面白い」と感じられる人は、学習負荷を負荷と感じません。

自己診断3問

質問「はい」なら「いいえ」なら
Q1. 売上・件数・フォロワー数など、何かの数字を定期的に見て増減の理由を考えたことがある数字への抵抗感は低い理由3でつまずきやすい
Q2. うまくいかないとき、「正解を聞く」より先に「別の方法を試す」ことが多い仮説を立てる側に回れる作業型にとどまるリスクがある
Q3. ルールや仕様が変わったとき、「面倒」より「新しいやり方を試したい」が先に来る継続の負荷に耐えられる理由4の負荷が後からきつくなる

3問とも「はい」なら、「やめとけ」の5つは大きな壁になりません。1〜2問なら「いいえ」の項目を入社前に意識して練習すれば挽回できます。3問とも「いいえ」なら、無理に進まず後述の別ルートも含めて検討してください。

より詳しい適性の見方は、Webマーケティングに向いている人の特徴で解説しています。

「Webマーケティングはやめとけ」と言う人の立場別の読み方

「やめとけ」は経験者の愚痴・スクール批判・AI脅威論の3種類あり、正しい部分と誇張された部分を分けて読む必要があります。

同じ「やめとけ」でも、誰がどの文脈で言うかで中身は違います。立場ごとに「何が正しく、何が誇張か」を分けて読んでください。

経験者の愚痴:「激務」「数字に追われる」

現役や元マーケターがSNSで発信する「やめとけ」は、長時間労働や数字のプレッシャーへの不満が中心で、下積みの地味さと数字の責任は事実です。一方、労働時間や社風は会社ごとの差が大きく、「業界全体がそうだ」という一般化は誇張です。

スクール批判の文脈:「スクールに行ってもなれない」

「やめとけ」の一部は、高額なスクールや情報商材への批判の中で語られ、「お金を払えば誰でもなれる」という売り方への警告としては正しいです。ただ、これは学び方の話であり職種の将来性の話ではなく、無料の公式教材で学び小さく実践するという、お金をかけない入口は存在します。

AI脅威論:「AIに全部置き換わる」

「AIでマーケターは不要になる」という主張は、作業の自動化が進んでいる点では正しいです。誇張されているのは「全部」の部分で、判断・設計・責任の領域は残り、作業を知らない人にはその領域は担えません。「作業型にとどまるな」という警告として読めば正しく、「職種がなくなる」と読めば誇張です。

Webマーケティングが向いていないと感じたときの別ルート

数字や仮説に強い抵抗がある場合は、営業企画・カスタマーサクセス・広報・PdM補助など、マーケに近い職種も選択肢です。

自己診断で「いいえ」が多かった人は、無理にWebマーケティングを選ぶ必要はありません。「マーケティングに興味がある」という動機を活かせる職種は他にもあります。

職種向いている人Webマーケティングとの近さ
営業企画営業経験があり、現場と数字の両方がわかる人売上目標の設計・施策立案が重なる。doda「平均年収ランキング(2025年)」では601万円
カスタマーサクセス顧客と直接話すのが得意で、継続率などの指標を追える人既存顧客のデータを扱い、マーケ部門との連携が多い
広報/PR文章を書くこと、社外との関係構築が得意な人認知獲得という目的が同じ。同ランキングで広報/IRは506万円
PdM(プロダクトマネージャー)補助顧客の声を整理し、サービス改善に落とすのが好きな人ユーザー理解と仮説検証が共通。数字より顧客理解に重心

これらはWebマーケティングと隣り合う職種で、数年後にマーケティングへ移ることも現実的です。「Webマーケティングをやめる」と「マーケティングに関わらない」は同じではありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. Webマーケティングはオワコンですか?

職種としてはオワコンではありません。電通「2025年 日本の広告費」ではインターネット広告費が4兆459億円(前年比110.8%)に拡大し、総広告費の過半数を占めています。「オワコン」が当たるのは作業型の働き方であり、目標設計や予算配分を担う設計型マーケターの需要は続いています。

Q2. WebマーケターはAIに仕事を奪われますか?

入札調整・レポート作成・クリエイティブ量産といった定型作業は自動化が進む一方、目標設計・予算配分・示唆の抽出・訴求の仮説・結果への責任は人に残ります。奪われるのは「作業」で、作業経験を土台に判断側へ回った人の価値はむしろ上がります。

Q3. Webマーケターの将来性はありますか?

市場(インターネット広告費の拡大)、人材(転職求人倍率2.55倍・求人数前年比+16.6%)、業務(AIが作業を減らし判断が残る)の3点から、将来性は高いと考えています。ただし、入社後に学習を止めた人や作業型にとどまった人には、その将来性は届きません。

Q4. 未経験でWebマーケティングに入って後悔する人の特徴は?

支援会社の実態(複数クライアントの運用アシスタントから始まる)を知らずに入った人、入社後に学習をやめた人、数字から逃げて感覚で仕事をした人の3つが典型です。逆に、求人票の業務内容を読んで最初の1〜2年を想像でき、数字・仮説・継続への抵抗感が低い人は後悔しにくいです。

まとめ:「やめとけ」の5つを受け入れられるなら、Webマーケティングの将来性は高い

「Webマーケティングはやめとけ」には根拠がありますが、受け入れられる人にとっては将来性の高い仕事です。

「やめとけ」の根拠は、入口の年収(20代平均414万円前後)・地味な下積み・数字の責任・学習負荷・AIへの不安の5つ

将来性が高い理由は、広告費の過半数がインターネットに移った市場、求人倍率2.55倍で専門人材が不足する人材市場、AIが作業を減らしても判断・設計・責任が残る業務構造の3つ

AIで変わるのは「作業」で、目標設計・予算配分・示唆の抽出・訴求の仮説は人に残る。下積みはその訓練期間

後悔した人は、入口を知らず、学習をやめ、数字から逃げた。後悔しない人は、数字・仮説・継続への抵抗感が低い

向いていないと感じたら、営業企画・カスタマーサクセス・広報・PdM補助など隣接職種も選択肢

自己診断で「はい」が多かった方は、設計型マーケターになる道が現実的に開けています。次の一歩は、求人票の業務内容を読んで入口の実態を自分の目で確かめることです。

ソイルエージェントは、広告運用やマーケティング支援を現役で行い、企業のマーケター採用代行も担う会社が運営する転職サービスです。採用する側の基準と、入社後に伸びる人・後悔する人の違いを知っているからこそ、「やめとけ」の5つがあなたにとって壁になるかどうかを一緒に見極められます。

監修:SOIL株式会社
SOIL株式会社(京都・東京)は、運用型広告を中心とした広告運用代行・インハウス支援・マーケティング総合支援・マーケター採用代行を行うマーケティング支援会社です。有料職業紹介事業許可番号:26-ユ-300751。

参考・出典

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表) https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011003.html

平均年収ランキング(2025年)転職サービス「doda」 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/

doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)」(2026年7月23日発表) https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/2026/07.html